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「なんだか、久美子らしいな…。」
笑いながらも、涙が止まらなかった。
そうだ。久美子はいつもこんな風に、まっすぐでお茶目な所のある子だった。
俺がうまく行かなくて勝手にイライラしている時も、冗談を言って和ませてくれたし、一緒に笑った思い出ばかりが甦る。
青空のような水色の便箋に並ぶ、久美子の丁寧だけど力強さを感じる文字。
久美子の心も、この青空のように、澄みきってどこまでも広かった。
いつも俺は、見えない何かや誰かと戦っていた。
自分が一番でないといけないと思っていた。今でもそうだ。
それをつかの間、忘れさせてくれたのが久美子だった。
俺が久美子の人生に影響を与えたなんて、そんな大層なことはひとつもできていない。
俺が、久美子からたくさんの良い影響をもらっていたのだ。
今更気づいたよ。
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