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それから、さらに一年の月日が流れた。
美女医、羊子先生は本日休診日にて、
自宅マンションのリビングで、コーヒーカップ片手に
寛ぎの午後。
今朝、手元に届いた『パラダイム』誌10月号を
開いているのだが、気になっているのは
毎年この時期に発表される、
「世間でまあまあ影響力のある456人」の記事である。
今年は格段に興味深く、記事に見入る。
「わーカッコいいっ!弓子さんったら〜遂にここまで来たか〜」
記事によれば、弓子が執筆した、
『必読☆怨念の正しい取り扱い説明書』は
月間ベストセラーを更新し続け、
夫婦ないしカップル間に最も起きやすいとされる、
お金絡みの血生臭い事件が
大幅に減少したことを数字が示している‥とのこと。
インタビュアー「仕事内容について、少し詳しく教えて頂けますか?」
弓「サイキック能力のレベルアップを図るため、
日々の精進はむろん欠かしませんね。
更に場数と経験を積む為に、
街で他者からの怨念をくっつけたまま歩いている
気の毒な方を見つけたら、お試し価格で熟練の
ムチを振るって、お祓いをしてあげるんです。
そんなに痛くないですよ。
むしろ、スッキリしたと男性陣からの評価が高くて‥。
それを見ると、まるで無関係の女性達の気持ちも
なんか晴れ晴れするってご意見頂いてますね。」
イ「一石二鳥の優れ技ってところですね?」
弓「ありがとうございます。
稀に、生霊からの怨念玉ですと
送り主のもとに、龍神界から直輸入した極刑お札
(レアもの)を張り付けて、私自らバイク便で
お届けすることもあります。
その際、手数料は高額に設定し、本人の反省を
促すんですが‥。
その他、お招きが有れば、講演も致します。
講演料は、要相談。
まあそんなところです。
いやもう、まだまだですよ〜。」
そうした勇気ある活動が今、女性達を中心に圧倒的な支持を集め社会現象となっているのである‥、
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