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次の朝、
「こんなに硬い鋼の身体を抜け出すなんて〜スゴ過ぎるわ‥タックン体調は大丈夫?」
いつものように、オブジェに出戻ったタックンに
語りかけてみたら、
「きみだってスゴいじゃないか。」となんとまあ、
テレパシーで会話できる事態になっており、
「今朝は腰痛がかなりマシだぜー。オレだって
たまにはベッドで寝たいわな、横になって。」
「分かるわ〜その気持ち。」
「それとさー、龍と添い寝した女には、何某かの特殊能力を授けられるんだよねー」と、タックンは
耳寄りな情報をさらに、ぶっ込んできた。
「キミならどんな能力を望むんだい?」
「まあ素敵〜だけど咄嗟に答えられる問題ではなくてよ〜ちょっと考えさせて貰えるかしら?」
とりあえず、欲しがりな部分は隠しておくのが賢明だ、というのは元祖昔話から学んだ知恵である。
私、弓子には願ってもない話だ‥誰もが一生に一度、御相伴に預かれると言う『棚からぼた餅』とは
このことだったんだ、やっと順番が廻ってきたんだ‥諦めないで生きてきて良かった!
自慢じゃないけど、子供の頃から何させても
長続きしない女、それが弓子なの!
でも、こっからが私の花道ですかぁやったるでー!
「オレの手引きで、予知能力を開花させ、
占い師になった女もいるねー政治家や著名人相手に、
けっこう稼いでるらしいぜー。
まあオレはいい女しか相手にしないからな、なんてさー。」
「それ私が一度でいいから聞いてみたかったセリフよ!」
「じゃあ今度は一度でいいから言ってみたかったセリフ言ってみればー」
「‥ダーメ今はまだ言〜〜わないっ」
不届な間柄ほど会話が弾むと知ってしまった
世間知らずな主婦の末路は、誠に危険であるのは
想像に難くない。
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