至福降臨

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「そういえばテレパとはいえ、すでにタックンと こんなにも以心伝心なのは、特殊能力と呼べるのでは?」 「おーよく気がついたな!まあ、そこ抑えてないと 何事も始まらんでしょ、オマケしとくよ奥さん」 「とにかく私のサイキック能力開発に、 求める第一条件は、友達と被らないことなの。 被ったが最後、どっちがイケてるかで泥試合になる のは目に見えてるからね〜。」 「格闘技じゃないんだからさー」 「中年主婦なんて所詮フラストレーションの塊だよ? なんかこうユニークでカッコいいのない? 凡人からイチ抜けたいんだもん、 誰もやってないことがいいよねーそうそう、 ニッチな分野で 第一人者とか先駆けやっちゃうと、なんか取材とか 来そう〜あの独特なナレーションがムダに格調高い みたいな30分ドキュメンタリーとかさ、‥」 「欲張りなんだね奥さん」 「その、奥さんっていうのやめてほしい〜。 でもあんまり有名にはなりたくない、 だって『文秋』砲のターゲットにされちゃったら 行き着くところ最後、無関係な他人にまでも、 ただひたすら謝んなきゃなんないのよ! そんなの、このメンヘラ弓子に耐えられるわけ ないっしょ!」 『辰のタックン』の合いの手に乗せられて、 口から出まかせ言いたい放題チャラチャラと夢が無限に広がる午後、 目立ちたいけど程々にという、ご都合主義の 矛盾を抱えて悩む弓子に タックンがポイと投げ出した提案は、 ガチで意外性に満ちていた。
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