最低最悪な社長

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早速なんかしでかしてしまったかと、今の行動を振り返るも挨拶しただけで、失礼なことをしたか思いあたらない。 おずおずと「はい、社長なんでしょうか。」と振り返ると、目の前に社長が立っている。 あまりに距離が近かったので、驚いて後退りしてしまった。 「おい、お前。俺とどっかで会ったことあるか?」 と顔をまじまじと見ながら社長は私に話かけている。 私もさっき同じことを思ったが、全く思い出せないので 「多分初めてお目にかかるかと思います。」と返しておいた。 横から室長が「社長、早速変なことを言うのは辞めて下さい。さっき忠告しましたよね。さぁ、行きましょう。」 と言って私の手を引いて、社長室から出た。 社長室から出ると室長が 「社長は口が悪いのですが、根は良い人だから。色々あると思うけど、その時は俺に言ってね。」 と最後の方は砕けた口調になっていたのにはびっくりしたが 「承知しました。」と返事をした。 「早速、業務についての説明をするからこっちへきて。」 と言われ社長室の前室での業務の説明を受ける。 今まで務めてきた会社とシステムはほぼ同じだった。
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