最低最悪な社長

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秘書室に入ると、今朝一番に声をかけてくれた花さんがまだいた。 花さんが私を見ると席を立ち、 「葵さん、食堂の場所分からないでしょ。私と一緒にお昼行こう。」 と言って可愛い笑顔でこちらに向かってくる。 待っていてくれたことに感動して 「ありがとうございます。実は一人で心細かったんです。お声がけありがとうございます。是非ご一緒させて下さい。」 と言って、花さんについて食堂に向かった。 やはり大企業は違った。 まるでカフェのようなお洒落な食堂でメニューもたくさんある。 しかもお財布に優しい全品300円。 明日から前室でお昼を食べろと言われたら、相当ショックだなと思いながらメニューを眺める。 「葵さん、ここのメニューはどれも美味しいですよ。なかでも女性一番人気はオムライス。トロトロでサラダもついてお得ですよ。」 何を食べようか迷っている私を見て声をかけてくれたようだ。 さすが秘書だけあって心遣いが素晴らしい、私も見習わなきゃと思いながら、オムライスを注文した。 席もたくさんあるので、空いている席に花さんと向かい合わせで席に座った。
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