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「お母さんのことが心配なら、一緒に住む許可はとってある。お前は俺と一緒に暮らすのが嫌なのか。」
「嫌じゃありませんけど、社長にご迷惑をおかけするのが心苦しくて。」
「嫌じゃないなら問題ないな。俺はお前と一緒に暮らしたいんだ。」
「ありがとうございます。お言葉に甘えさせて頂きます。もし窮屈な思いをするようでしたら、直ぐに言って下さい。」
「そんなにかしこまらないで欲しいな。やっぱり今日迎えに行って正解だった。家を見つけた後だったら、一緒に住むなんて言わなかっただろうからな。」
とニヤリと笑った社長は私の手を引いて家の中に入っていった。
玄関の扉が閉まると同時にふんわりと社長に抱き締められて、
「お前が仕事を辞めた時、家に行ったら引っ越した後でもう二度と会えないかと思って苦しかった。もう二度とあんな思いをしたくないから、ずっと一緒にいて欲しい。」
そう言うと私の手に可愛い猫のキーホルダーが付いた鍵を渡してくれた。
「この家の鍵だ。」
「ありがとうございます。ほんとは子供の頃から今日までずっと社長のことが好きでした。」
「俺の初恋はお前だ。」
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