最低最悪な社長

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どんな社長なのかドキドキする。 昨日寝る前に会社情報はざっと確認して頭に入れてある。大手の自動車部品メーカーのようだった。 海外にも多く工場支社があるから、英語を使う機会もありそうだ。 こういう時、帰国子女で英語がしゃべれることはプラスになることが多い。 新しい会社までは電車で乗り換え無しで行けるから、あれこれ考えているうちに、会社がある駅に着いた。 会社に向かって歩いていくと、想像以上の立派な会社が目に入ってきた。 見上げる程高いビルだった。 こんな立派な会社の社長の秘書が務まるのかしら、こんな立派な会社の秘書に派遣を使うなんてよっぽどここの社長は癖が強くて長続きしないんだなと思うと一瞬不安になったが、ここまで来て引き返すわけにはいかなかった。 意気込んでロビーに入り、受付で声をかける。 「今日から社長秘書としてやって参りました、秘書シークレット株式会社の澤田と申します。どちらへ伺えばよろしいでしょうか。」 目を奪われる程美人な受付の人が 「確認しますので、少々お待ち下さい。」 というとパソコンでなにやら確認している。 確認が済んだのか顔を上げて
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