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世界観
僕の作品の大半は、子供の頃から想像していた世界観に基づいた設定になっており、最悪の魔女でもやはり同じです。
まず“始原七柱”という神々が“界球器”と名付けた“大きな世界”を数え切れないほど創造しました。
さらに、それらの中には可能性によって自動的に分裂する“小さな世界”がやはり数え切れないほど存在しています。
界球器ごとに中の小世界をまとめて管理する役目を担う下位の神々もいます。最悪の魔女世界ではアルトラインやテムガミルズです。彼等は界球器一つにつき数人ずつ配備されています。人数に決まりは無く、それぞれの世界を創造した際のコンセプトによって増減します。
とある作品では“アルトル”という名前のアルトラインと微妙に関係のある女騎士が主役でした。
スズラン達のいる界球器には特異な性質があり、中の“小さな世界”が惑星一つ分の空間しかありません。しかもスズラン達の暮らす大地や海は惑星ですらなく、球体の中に盛られた土と注ぎ込まれた水です。つまりは生命球のような物だと思って下さい。
夜空に輝く星は単なる照明で、古くなったら交換のため切り離されて流星になります。太陽と月は天井に沿って移動する施設。気象や重力の制御を行うための施設。そこに至る空間制御式軌道エレベーターが時々人の目に映ることもあり、同型の別の世界では“時計塔”と呼ばれています。スズラン達の世界では“天への階段”と呼ぶようです。本編には出てきませんでしたが。
これらの施設は最悪の魔女世界の場合、主に鍛神ストナタリオがメンテナンスしています。
最悪の魔女世界における文化の根幹は主神ウィンゲイトによってもたらされました。彼女は英国出身の日本育ち。なので現代日本の影響が強くなっています。
ウィンゲイトが何故神様になったのかは、出来れば本編を読んで下さい。でも時間が惜しい、ネタバレを気にしないという方は登場人物設定・神々編でも明らかにしているので、そちらをどうぞ。
そんなほぼ日本人の元人間が作った世界なので言語は日本語がメインです。文字はひらがな、カタカナ、アルファベットが主に使われています。マリアは漢字も教えたんですが、難しすぎて廃れました。現在では神代文字と呼ばれてしまっています。でも、そのおかげでこれを読めると翻訳家として重宝されるようです。
他にも距離の単位や料理の名前など時間経過によって変わってしまった言葉が多くあります。一ヒフはだいたい一メートル。ムオリスはオムライス。カウレはカレー。
まあ、実は異世界感を出したかっただけで、変える必要無かったかなと後から思いました。
また、一見中世ファンタジー的な世界に見えますが、魔法使い達による技術開発が盛んなため近代レベルまで文明が発達しています。
なので、例えばココノ村では今も井戸や川から水を調達していますが、都会では蛇口から水の出てくる水道が整備されている場所もあったり。水洗式トイレもごく一部には存在します。息抜きの魔女で書いた排泄物を分解して綺麗な砂に変える薬剤があるため、あまり必要とされていませんが。
医学もかなり進んでおり、細菌が病気の原因になることや細胞に“人体の設計図”が隠されていることも判明しています。ただし後者はまだ錬金術の実験によって存在が証明された程度で、DNAを抽出して詳しく解析できたりするわけではありません。
太陽という名の気象操作装置の働きにより、ココノ村のある中央大陸では地域によって寒暖の差が生じています。基本的に北に行くほど寒く、南に行くほど暖かい。そのため服装にも違いが出てきます。
また、四季も設定されており、それによっても服装や生活様式は変化します。ココノ村は大陸東北部で夏でも南部に比べると涼しい土地。冬はかなり寒くなるものの、それでもやはり北のホッカイ半島よりはマシです。
なお、中央大陸の形状は元は六角形だったものが数百年前の戦争で一部削られてしまい、現在は日本列島を全部繋げてずんぐりむっくりにしたような歪な形になっています。
服や建物のデザインは和洋折衷。これにも地域差が生じています。ココノ村のあるタキア王国では建物に関しては和のテイストが強く、服は西洋寄り。ただし夏の恒例行事ボンの時には浴衣を着て踊ったりします。これらの日本文化が残っているのもウィンゲイトが原因です。地球っぽい何かが出てきたら全部ウィンゲイトの仕業だと思ってください。
中央大陸以外にも東西南北に四つの大陸がありますが、人間は住んでいません。北の大陸に到っては過去の大戦で消失しており、現在は氷で代替品を作って“魔王”の封印に用いています。
少数ながらそれぞれに住民はいて、西にはエルフ。南にはウンディーネ。東にはドワーフが暮らしています。四大精霊族と呼ばれていますが、火の精霊族ことドラゴンは絶滅しました。
ココノ村のツゲさんの先祖はドワーフで、なんらかの理由で海に落ち、中央大陸に漂着。人間の暮らしに興味を持って旅をしていたら、そのうち自分がドワーフだと忘れてしまい、そのまま中央大陸に根付いたようです。
過去には人類と四大精霊族以外にも知性を持つ種族が複数いたのですが、ドラゴン同様、戦争で絶滅するか異世界に放逐されてしまいました。過去にとんでもなく迷惑な男がいて、そいつとそいつの共犯者の仕業です。アイビーにはいつかその男を殺すまで死ねないと思っていた時期があります。
大陸最大の宗教・三柱教はウィンゲイト達“創世の三柱”がいなくなった後、心の拠り所を求めた人々が生み出しました。なので本人達が言った覚えの無いことまで経典に書かれています。世の役に立っていることは間違い無いのですが、逆に害となっている部分も多い組織です。
ちなみにウィンゲイト以外の二柱は実のところ大したことをしていません。だから名前以外信徒達にもどんな神様なのかよくわからなかったり。そもそも彼等は世界を創る力など持ち合わせておらず、どちらかというとウィンゲイトを守る用心棒的な役割でした。
性格もそれぞれ異なり、エリオンは温厚ながら人間もそれ以外の種族も見下しています。ジーファインは激情家ですが、弱者の視点で物を見ます。互いを嫌い合っており対立することも多かった二人。でも目的は同じなので手を組んでいました。また二人ともウィンゲイトには感謝しており、彼女の頼みなら素直に聞いたようです。
現在の三柱教の総本山は東部の聖王国シブヤ。ただしシブヤは実質的に聖都だけの国で、国そのものがトキオという大国の領内にあり、トキオや信仰心の篤い国々によって保護されています。
中央大陸には大小様々な国がありますが、特に大きな七つの国を七大国。それぞれの代表を七王と呼びます。別に枠が七つと決まっているわけではなく、時代によって六王だったり九王になったりもしました。スズランの住むタキア王国はそろそろ八番目の大国に数えられそうな勢いがあります。
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