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早朝の『シティ』の空気は酷く澄み切っている。
チムは肺いっぱいに吸い込むとそう思った。
この街でチムはゴミ収集の業者として働いている。
この街…『シティ』は第三次大戦の後、汚染された地表を避ける様に地下に建設された、人口80万程の巨大なシェルターだ。
空洞は横に広くコミューンを成し、反面天井は低く100メートル程。
街並は東に富裕層の邸宅が立ち並び、西に行くにつれ、つましくなっていく。
そんな外れの地区にある会社から、チムは収集車を走らせた。
ハンドルは錆つき重く、座席シートはスプリングが壊れ、ちくちくと尻を刺す。
人気の無い住宅地を進み、ブロック毎に設置されたゴミ回収ボックスの前に停車する。
降り立ったチムは大人一人はある大きさの濃緑のボックスを抱えると、自車の開いたハッチバックに中身を放り込む。
小柄なチムが作業に勤しむ様は、子供のお遊戯の様にも見て取れた。
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