半径1.5メートルのあなた

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「昨日はちょっと飲みすぎちゃったかな」 気持ちよさそうに眠る直樹の寝顔を見つめ 彼の体温を感じながら迎える12月中旬の朝 年末ということもあってか 昨夜は二人ともいつも以上にお酒がすすんだ ふと窓の外を見ると雪がちらついている ここ福岡でも今年の初雪が観測された 「うわー、寒そう」 どこか余裕な表情を浮かべ、そっと呟いてみる 布団のあたたかさと彼の温もりに 包まれている今 外の寒さなど他人事だった できることなら この手で時を止めてしまいたい この上ない幸福感を押し殺しながら 楓は悟った これくらいの距離感でいるのが お互いにとってベストなのかもしれない 彼に怪我を負わせないためにも 私の傷が再発しないためにも そして 今度は私が誰かの絆創膏になるためにも
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