0人が本棚に入れています
本棚に追加
「昨日はちょっと飲みすぎちゃったかな」
気持ちよさそうに眠る直樹の寝顔を見つめ
彼の体温を感じながら迎える12月中旬の朝
年末ということもあってか
昨夜は二人ともいつも以上にお酒がすすんだ
ふと窓の外を見ると雪がちらついている
ここ福岡でも今年の初雪が観測された
「うわー、寒そう」
どこか余裕な表情を浮かべ、そっと呟いてみる
布団のあたたかさと彼の温もりに
包まれている今
外の寒さなど他人事だった
できることなら
この手で時を止めてしまいたい
この上ない幸福感を押し殺しながら
楓は悟った
これくらいの距離感でいるのが
お互いにとってベストなのかもしれない
彼に怪我を負わせないためにも
私の傷が再発しないためにも
そして
今度は私が誰かの絆創膏になるためにも
最初のコメントを投稿しよう!