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 そこに太陽がいた。  暗く落ち込んでいた私を、日向のように明るく暖かく照らす太陽が。 「みんなほんと、ありがと村のタヌキだよ!」  日本語が崩壊しているように思える言葉が飛び出しているけど、それすらも彼女を引き立たせる不思議な魅力に思えた。 「ここで告知をさせていただきます! ええと、次のライブは来週末の──」  え、そんなすぐにまたライブをやるの!? もう一度見たい!  急な告知に驚きながら、来週の予定を思い出す。くそ、友だちと遊ぶ予定いれちゃってるじゃん! 「それじゃあ、本日最後の曲を聴いてください!」  そのまま会場は今日一番の盛り上がりに包まれた。  初めて聴く曲に、謎の呪文のような応援、間奏に入れられた一糸乱れぬセリフのような何か……何も知らないのに、そこで生み出される熱量に圧倒された。  太陽のように輝くあの人のように、もしかしたら私も……
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