プロローグ 届かなった「ごめんね」

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 視線を落とす。  光る画面には、『くーちゃん、頑張ってまってるよ』の文字。 「…………っ!」 (待っててね、くーちゃん。いま行くから……!)  視界が滲みそうになるのを耐え、決意を胸に再び階段を降りようとした、その時だった。  どん、と背に受けた衝撃。傾く身体。 「え……?」  確かな浮遊に、足が離れた刹那。 (あ、おちる)  誰かの悲鳴を遠くに感じながら、私はどこか冷静な脳裏で、「ごめんね、くーちゃん」と目を閉じた。
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