プロローグ

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プロローグ

一社六方(いちやしろろっぽ)神憑き(かみつき)の弓子は別世界(かくりよ)の公園で「悪い虫」を退治しました。 正体不明の何者かが、人間社会に混じって暮らしていたイタチの妖怪に「虫」を寄生させ、悪事を働かせようとしていたのです。 イタチは人を食おうとしていました。 人に化けて近くの小学校で教師をしているタヌキの妖怪に、子供をさらってくるように(そそのか)していたのです。 そうしなければ虫どもに食い尽くされる、とイタチは恐れたのかもしれません。 それともすでに心身を(むしば)まれて、善悪の区別もつかなくなっていたのでしょうか。 タヌキの必死の抵抗と、六方、弓子の介入で事なきを得ましたが、危うく妖怪変化による凶悪な犯罪が起こるところでした。 今日のお話は、「悪い虫」が邪眼の力で滅びた、数日後の出来事です。 ※ 今回、僕――高縄十三(たかなわじゅうぞう)――の出番があります。   ファンの皆様、お待たせしました。
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