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今時、流行りの異世界転生?
「申し訳ありませんでした」
私の目の前には金髪の美男子が、腰を直角に曲げている。
彼は白い軍服をまとい、いかにも中世の王子キャラだ。
「ここは?」
辺りを見渡せば、白を貴重とした壁に、華やかなシャンデリア。
おまけに赤いカーペットときた。
どう見ても、ヨーロッパのお城だ、
壁際には甲冑の兵士が花を添えている。
「重ね重ねお詫び申し上げる」
麗しい声に意識を戻すと、ちょうど金髪の王子が顔を上げたところだ。
思ったとおり、顔面もキラキラしている。
「えっ、何ここ」
「どうなってるの?」
周りが騒がしくなった。
ちらりと視線を流せば、見知ったクラスの面々が困惑顔で呻いている。
ですよねー、こんな平凡顔のモブ子に王子が頭を下げる訳ないよね。
よく見れば、王子まで3mはあるし、その間に倒れているクラスメイトもいたわ。
「この度は、こちらの不手際で皆様を巻き込んでしまったようだ」
「一体どういうことだ」
クラス一の美形、あきら君が王子に突っかかる。
「実は……」
王子は神妙な顔つきで話しはじめた。
難しい話はクラスの代表に任せて、さてモブ子はモブらしくしときましょうか。
突然中世ヨーロッパ風の世界に来て、王子様がいるとなれば……。
「ふふふ。ス、ステータス画面オープン!」
私はにやけながらお決まりのセリフをささやく。
「……」
何も、起きない。
「というわけでして、この深海の国が総力を上げて潜水艦を治します。早くても7日はかかりますので皆様を元いた地上に送り届けるまではこの城でごゆるりとお過ごし下さい」
王子の朗々とした声が嫌でも耳に入る。
「異世界じゃ無いんかーい」
思わず突っ込んだのは許してほしい。
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