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すっかり裸に剥かれてベッドに沈んでいると、藤原さんがネクタイを外しているのが見えた。そして、上着も脱ぐとまたオレの上に乗ってきた。
オレは何も着てないのに、服着たまんまってズルくない?
オレはなんだかムッと来て、藤原さんのワイシャツのボタンに手を伸ばした。
その行動に、藤原さんは一瞬ビックリしたように片眉を上げたけど、そのまま止められることは無かった。
ビックリするよね。
オレもビックリだ。
なんでこんなに積極的になってるんだろう。まるでオレが求めてるみたい。
オレ・・・したいのかな?
誰かと肌を合わせたのっていつ振りだろう?
多分オレは、頭のネジがどこか外れてしまったんだと思う。
じゃなきゃこんなこと、出来るはずがない。
ボタンを外して顕になった藤原さんの体は鍛え上げられて引き締まっていた。
その筋肉があまりにキレイで、胸から割れたお腹の筋肉を触っていたらその手を掴まれ、止められてしまった。
さすがにイヤだったかな?
同じ男に、こんないやらしい触られ方されたくないよね。でも、残念。もっと触っていたかったな。
やっぱり、男にはその気になれなかったのかと思い、オレはよいしょと体の向きを変えた。まだ藤原さんがオレの両脇に手をついて上にいるので、四つん這いの格好でベッドから降りようとしたのだ。
元気になっちゃったオレのはあとで抜けばいいや。
さて、帰って巣ごもりしよう。
そう思って、横にズレようとしたら、今まで横にあった腕にいきなり抱きしめられた。
ギュッとされると背中に藤原さんの熱い肌が密着した。そして、うなじに唇が・・・。
「・・・は・・・ぅ・・・っ」
うなじを舐められて、腕から力が抜けた。
オレは昔から首や耳が弱く、ここを触られるとゾワゾワして力が抜けてしまう。
再びベッドに沈んだオレのうなじを舐めながら、藤原さんの舌は徐々に移動して耳の裏を舐めた。
「・・・あっ・・・」
体がビクッとなって、ゾワゾワが背筋を走り抜けてく。
耳もダメだって・・・。
「なに逃げようとしてるの?」
耳元でそう言うと、耳朶をカリッと噛んだ。
「いたっ」
甘噛みなんてものじゃない。血が出たんじゃないかというくらい痛かった。
「・・・だって、萎えたんじゃ・・・」
オレの手を止めたじゃないか。
「君があんまり積極的だったんで驚いただけだ。それに誰が萎えたって?」
そう言って腰をオレの太ももに押し当てた。そこに、ゴリっと硬いものが・・・。
けれど、意識はすぐにそこから離れる。舌が耳を嬲り始めたのだ。
「・・・あぁ・・・ぁ・・・」
ゾワゾワがゾクゾクに変わり、体中を駆け巡る。
執拗に耳を責められ、腰が無意識に揺れ始める。シーツに擦れたそこはもうそのまま達してしまいそうだった。そのとき、不意に腰が持ち上げられた。
「一人でイこうとするんじゃない」
膝を折り曲げ、腰だけ高く上げられた。
そんな恥ずかしい格好を取らされても、それすらもグズグズに溶けた頭は快感と捉えた。
一番恥ずかしいところを見られてることに体が震え、下肢はさらに熱を帯びる。
朦朧とした頭で次の行為を待っていると、彼の指が後孔に触れた。
ヌルッとした液体を纏った指が、その襞を確かめるように動いていく。
正直、そこへの愛撫は甘美なものとは程遠かった。違和感の方が強く、僅かな嫌悪も感じた。しかし、同時に前の昂りも握りこまれ、そんなことは考えられなくなった。
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