4人が本棚に入れています
本棚に追加
【私たちからあなたへ】
便箋と結婚式の招待状を封筒に入れる。
メッセージは、二人で一晩かけて考えた。
短いフレーズの中に入れたい気持ちが多すぎて思った以上に時間がかかった。
封筒に切手を貼ろうとしていた祥子が、突然言った。
「この歌って、財津和夫さんの『切手のないおくりもの』だよね? 切手貼らずに送ったら届かないかな?」
僕は思わず苦笑いをする。
結婚式の招待状が着払いでなんて聞いたことが無い。
「呆れるんじゃなくてツッコむとこ」
そう言って、祥子は笑顔で切手を貼る。
「来てくれるかな?」
「来てくれるといいな」
そんな会話をしながら、近所のポストに投函した。
私たちからあなたへ
この歌を届けよう
心優しい親友夫婦に
お礼代わりにこの歌を
──完──
最初のコメントを投稿しよう!