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プロローグ
生前の妻は、時間があれば、スマホでちまちま小説を書いていた
本人曰く「なんでも書く」
俺はそれを信じていたし、いつか読みたいと思っていた
その夜も、子供たちが寝た後、妻は小説を書き、俺はVODで映画を観ていた
本当は一緒に映画を観たかったが、妻があまりに集中して書いているからあきらめた
映画では、主人公が、妻が遺した日記を読んで、涙するという感動のシーンが流れていた
俺は妻に聞いてみた
「みーちゃんが死んだら、俺はみーちゃんが書いたその小説を読みながら泣くのかな?」
「いや、普通に笑うでしょ。わたしはあなたに泣いてほしいわけじゃないからね。わたしは、ケタケタ笑って読んでほしいよ」
そう言ってみーちゃんはガハハと豪快に笑った
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