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腹や腕に巻かれた包帯からは血が滲んでいる。当然だ。四日経っていると言えども、五発も撃たれた上に、手当なしで車の運転をしたのだから。まだ傷は塞がっていない。銃弾が貫通していたのは幸いだろう。
私は駆け寄ると彼の肩を支え部屋へと誘導する。
「すまないジア。こんな俺を助けてくれて、なんて言えば良いか」
「ううん。だって、ダリルは私を救おうとしてくれた。本当は心が優しい人なんでしょ。それに私の両親を殺したのは、あなたじゃない」
私はこうしていつも慰めてやる。私を信用させるために。
ダリルをベッドに座らせゆっくりと寝かせると、彼は手で顔を覆い口元を歪めた。
「すまない本当に。俺が止めればよかったのに……」
こんな時は、彼の手を握り優しい言葉をかけてやるのだ。
「なってしまったことはしょうがないわ。そりゃ悔しいし、悲しいし、怒りだってあるけど……でもあなたが殺したわけじゃない。それに私はあなたから優しさを感じた。きっとあの人達と一緒にいるべきではなかっただけよ」
「ジア……本当に何て詫びればいいのか。こんなことまでしてくれて俺は……」
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