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「よく見ていてください。発動!」
両方の手のひらの上に魔法陣が現れ、その上にたくさんの小さな光が収束する。
収束した光が直径が15センチほどになったとき、その光を魔法陣を通して手の中に入れた。
魔法陣が消えたかと思うと、次は右の人差し指の先に現れる。
そしてその指を上に向け光を勢いよく放出した。
収束した光は30メートル上空で弾け、一帯が光に包まれたと思った次の瞬間、空には七色の光の橋が現れた。
「・・・・・・きれい」
「あれは虹と呼ばれるものです」
「こんなにきれいなもの見たことがないわ・・・・・・」
虹というものはこの国には存在しない。
何せ雨も降らないし光が当たらないのだから。
「城にあった書物で見かけて母上にも見せたくて頑張りました」
「なんていい子なの〜。やっぱり私の息子ね」
母親に褒められるというのはくすぐったいような妙な気持ちにさせる。
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