勇者の存在

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「さあ行くか!」 ここからはワープを使って移動する。 周りの人に言われたが、俺が使う魔法はとても高難易度で使用できる者はほとんどいないという。 だから使うときは用心しなくてはならない。 これから勇者と会うまでの設定はこうだ。 いきなり出てくるというのは怪しまれてしまう可能性があるため、出方というのはとても重要になってくる。 まず、俺がいた村が魔物に襲われる。 これはあくまでも聞かれた場合の設定だ。 必死で逃げている途中に大きな怪我を負ってしまい、道に倒れているところを偶然通りかかった勇者が助ける、というだけのもの。 前の戦っているところを見ても100パーセント俺のことを助けるだろう。 そのための準備として、変装することが大事。 目も髪も黒いと魔王だと分かってしまう。 魔族も黒なのだが、魔王は目も髪も黒いのに比べて普通の魔族は目か髪、どちらかしか黒くない。 父もそうだが、歴代で黒だと決まっている。 王族に生まれてなお、どちらか一方、またはどちらも黒でない者は王になる資格はない。 なので髪は赤色、目は見えないことにして白に近い水色。 目隠しをしているからさほど意味はないが見られたときのために一応。 次の段階として怪我を負わなければならない。 服を相応のものに着替えてから自分に攻撃魔法をかける。 このとき注意をしなければならないのが音で気づかれてはならない。 すぐに来られたら魔物がいると勘違いされ、勇者たちではなく他の冒険者が先に駆けつけてくるかもしれない。 とりあえず防音壁を張って痛覚麻痺をかけておく。 俺だって痛いのは嫌だからな。 「インパクト」 攻撃魔法で傷を負う 後は倒れるために気絶する魔法をかける。 バタッ ここまでは計画通り···········。
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