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始まり
現在の時刻は夜中の2時
俺は時計を見ながら何度目か分からないため息を吐く。
年は19、高校卒業後すぐに就職し社会人2年目にも関わらず、毎日会社に泊まって仕事をしている。
世間ではブラック企業と呼ばれる会社に入社してしまった。
早朝6時、仕事が終わり一時帰宅をする。
すれ違う人はほとんどが出社をしている人なのだろう。
ちらほらと俺と同じような疲れた顔をしている人を見るが。
あ〜早く帰って寝たい......。
ようやく仕事から一時的だが解放されて、そんな気持ちで頭の中がいっぱいだ。
駅のホームで電車が来るのを待っていた。
数分もすれば電車が到着する前のアナウンスと音楽がホームに響く。
左側から電車が見えた時だった。
気づいたときには、俺の体は宙に浮き線路に落ちようとしている。
俺にぶつかってきたであろう人物はもういない。
徹夜明けで頭が回らないし、力も入らずどうすることもできない。
あっ、と思った時には時すでに遅く、電車は俺とぶつかった......。
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