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「キャアアアアッ、可愛すぎる!」
細い腕だが、女性とは思えないすごい力で抱きしめてくる。
しかもこの女性の豊満な胸に顔を埋められる。
「ロシステラ様、そろそろ腕の力を弱めませんとヘイト様が危険な状態です」
生まれ変わったばかりだというのに、今まさにこの女性の胸で窒息するところだった。
「だって私の息子が可愛すぎるんだもの」
「それは私も同感です。御二人に似て、赤ん坊といえどとても美しいお顔立ちです」
ここで初めて自分のであろう名前が呼ばれ、俺の名前がヘイトだということがわかった。
それに先程から目の前に変な物が映り込んでいるのだ。
そこには名前やレベル、HPなどゲームで見たことあるような文字が書かれていた。
最後に女神様が言ってたやつか......。
「あ~あぅ(ステータス)」
俺の正面にも同じものが現れた。
書かれていたのは......
ヘイト=ヴルガベット(男)
Lv 1 魔族
HP 640/640
MP 1050/1050
称号 転生者、次期魔王
簡単に言うとこんな感じだが......。
何か一つおかしなことが書かれているような気がする。
魔族ってことは、俺は普通の人間じゃないのか。
それに次期魔王ってまさかの悪役かよ。
人間以外の人型種族がいる世界なんて聞いてないぞ。
「失礼しますロシステラ様、朝食の準備ができましたので、ヘイト様と共にいらしてください」
「分かったわ、行きましょうヘイト」
抱き上げられているから、俺も行くしかない。
本当はもう少しゆっくり観察したかったのだが。
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