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物語におけるキャラクターのパターン
本項の内容は、美術出版社から出ていた『激マン⑤ キャラ設定自由自在! すぐにできるキャラクター作り』という本の内容を、私が消化吸収して再構築したものである。ただし、私が上記の本を読んだ少し後に、小説のキャラについての解説本で九割方同じ分類が書かれているのを見た事があるし、最近他サイトで載っていた講釈も明らかに同じ分類を基にしているようだった。そのためどこかに大元の作劇論があるものと思われるし、ひょっとしたらユングの『元型』のようなものに由来するのかもしれない。
前置きが長くなったが、上記『激マン~』では、物語のキャラクターは全て14種類に分類できるとしている。すぐ後で私はそれを更にまとめるが、元の14種類とは、
とらわれの姫君
満たされずさまよう者
ふたつの顔を持つ男
武装する女戦士
時空を超えた恋人
あぶない博士
創造主に挑む者
陰に立つ実力者
あざむく道化師
未熟な後継者
魔法使いの弟子
導く賢者
双子
兄弟たち
である。これを私は、次のように分類し直した。
まず主人公のパターンが四種類。
1【苦悩者】……光源氏、ハムレット、ファウスト、バットマン、『天空の城ラピュタ』のパズー、うずまきナルト、『涼宮ハルヒの憂鬱』のキョンなど
2【見習い】……『ホビット』のビルボ、『魔女の宅急便』のキキ、『ドラゴンボール』初期の孫悟空、『ワンピース』のルフィー、『ガラスの仮面』の北島マヤなど
3【超人】……シャーロック・ホームズ、ジェームズ・ボンド、スーパーマン、DB中盤以降の孫悟空、『ぬ~べ~』の鵺野鳴介など
4【厄介者】……『西遊記』の孫悟空、ドン・キホーテ、『こち亀』の両津勘吉など
そして主人公以外の脇役のキャラクターパターンが五つ。
A【賢者】……三蔵法師、『ホビット/指輪物語』のガンダルフ、月影千草、碇ゲンドウ、ムスカ、『リトルマーメイド』のセバスチャンなど
B【道化師】……『真夏の夜の夢』の妖精パック、メフィストフェレス、『指輪物語』のゴクリ、『るろうに剣心』の明神弥彦、涼宮ハルヒなど
C【分身】……恋人、相棒、ライバルキャラなど
D【敵】……敵あるいは障害となるキャラ
E【弱者】……被害者となるキャラ、読者視点キャラ、モブキャラなど
以上、主人公が四パターン、それ以外が五パターンの、計九パターンで物語の登場人物の型は分類できるというのが、私の論である。
この九つの型は、物語の構造上の「役割」としての分類であり、キャラクターの設定や性格に近いような、少し表層的である「属性」を考慮したものではない。例えば『激マン』の分類中の「ふたつの顔を持つ」「創造主に挑む」といった要素は、私の九つの分類では考慮されていない。こういった要素は後にキャラクターの肉付け、あるいはいわゆる「キャラ立ち」を考える時に述べる。九つの分類は、キャラクターの「骨」としての分類である。次ページ以降、一つ一つ解説していく。
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