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試行錯誤し何とか服を着て外に出る
あ、…まだメイドさんいる
「遅いです。早く馬車に行きましょう」
メイドさんが黙り込みスタスタ歩き始めた。
それになんとかついて行く
馬車の前につくとようやくメイドが喋り始める
「何してるんですか?早く乗ってください
魔王城まで遠いのですから。」
「は、はい」
おれは勇者だから堂々としていなきゃいけないのに
どもってしまう
メイドさんはついてこず
御者と2人きりになった
馬車はおれが乗り込んだ途端魔王城へ向かい始めた。
こ、こわいなぁ
もう魔王城へ行くのかな?
いーや勇者が怖いなんて思っちゃ行けない。
ようやく役に立てるのだから
魔王は人を食べるとか
魔王は人を目に入れると氷漬けにするとか
色々な噂が飛び交っている
それだけ怖い人物なのだろう
だがおれは大丈夫!
なんでって?勇者だからだ!
選ばれた勇者
心臓が痛い
不安で押しつぶされそうだ。
ここでおれの人生は終わるのかな
い、いや。おれは生きて帰って褒めてもらうんだ
お母さんに。
勇者としておくりだされて以降あっていないけれど…。
なんて考えるとウトウトしていつの間にか眠ってしまっていた…。
「魔王城へ到着しました。料金をお支払いください」
バッと顔を上げ窓を覗き込むと
そこには…暗い雰囲気のお城があった
じわじわと冷や汗が出てくる
ハハ…もはや笑えてきた
これ本当に帰れるか?なんて
金貨2枚を支払い魔王城へ向かおうとすると
御者から手紙を貰った
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魔王城へ入り魔王と戦ってこいだが先手は相手に譲れ。こちらの余裕を見せつけるのだ
───────────────
きっと国王が書いた手紙だろう
先手は譲れ…か。
攻撃を受けて死ねということだろうか
魔王城の中へとはいると不思議と誰もいない
魔王の下僕みたいなのがうじゃうじゃいると思ったんだけどいないものなのだな、と他人事みたいに思える
「わっ、」
びっくりした
目の前に小さい金髪の妖精みたいな子がいる
この子も魔族なのか?
『こんにちは!僕は案内役のフェルンだよ!
魔王のいる所へ案内するんだよ!ついてきて!』
脳に直接声が響く
小さいから声が届かないのか?
『あ!声ね!びっくりした?
大きさが違うとね声が聞こえないからね!
魔法を習得したんだよ!凄いでしょ?』
「あ…凄いね、あの案内って、?」
妖精(仮)に応える
やっぱり話すのはなれないな。
『その名の通りさ!魔王様にご挨拶するため僕が案内するんだ!このお城は初見じゃ攻略できっこないからね!君、弱っちそうだし!』
よ、よわっちそう…
ちょっと傷つく
『ほら!こっちだよ!』
国王の命令でこの子は案内してくれているのか?
少し怖い
「き、君は味方なの?」
『やだなー!フェルンって呼んでよ!』
「フェルンは味方なの?
国王様の命令でおれを案内しているの?」
『それは君次第さ!
それで君の名前はなんていうの?』
なまえ……おれの
今までずっと勇者と呼ばれていたから
勇者と呼ばれるようになる前は存在なんてしていなかったも同然だった
だから名前なんて…
「おれの…名前は、勇者かな。」
『ユウシャ…?ユウシャって…
へー!独特だね!じゃあ僕はユウって呼ぼうかな!
よろしくねユウ!』
ユウ、あだ名
初めての?嬉しい…
勇者以外の名前
「あ、ありがとう」
『なにが?さーいいからさっさと行くよ!』
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