1章・魔王と出会う

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目が覚めると辺りは薄暗かった なんて魔王界はずっと薄暗いんだけど。 時計を見ると短針は6の数字を指していた 果たして夜なのか朝なのか もし朝だったら一日中眠っていたことになる コンコン 唐突なノックにビックリする へ、返事したほうがいいだろうか… 「…はい」 「失礼します。お食事の準備が出来ましたので呼びにまいりました。」 ドアが開くとダンディーな白ひげが良く似合う執事であろう人がいた 「本日は初日で魔王様ともあまり話していないでしょうからお食事を一緒に撮って頂きたく思います」 え…フェルンはここに持ってくると イヤ、思い返せば多分とか言ってたからフェルンもあんまり知らなかったのかも ああ、どうしよう 「わ、かりました…」 ここで拒否したら今度こそ殺されるかもしれない 魔王と一緒の食事をとっても殺されるかも はあ… 「それでは()きましょう」 覚悟を決めてついて行く てくてくと歩いていると執事さんが話し出した。 「自己紹介がまだでしたね。 (わたくし)は魔王様専属執事のルーキアと申します。」 おれも自己紹介した方がいいのだろうか? おれが勇者ではないとわかってしまった今 名乗れる名前が無い… フェルンがつけてくれたあだ名のユウと名乗ってもいいのかな なんて悶々と考えて出た答えは 「あ…、よろしくお願いします」 よろしくお願いしますだった、 自己紹介、難しい。 「はい。よろしくお願いいたしますね。」 ルーキアさんはニコニコと笑顔で応えてくれる ……いい人かも 「もうそろそろ着きますので心の準備を」 おれが緊張してるのをみかねてかな… もしかしたら本当に、 「は、はい!」 ルーキアさんがドアを開ける 魔王は…まだいなかった。 ホッとした めちゃくちゃ広いなぁ、魔王城だからなのはわかっているが豪華な内装にびっくりする 「あれ、魔王様まだいらしていませんね 先に席ついておきましょうか。こちらへどうぞ」 椅子を引いてエスコートをしてくれる ルーキアさんは人間なのかな? そんな訳ないのに頭の中でそう思ってしまう 魔族ってもしかしたら優しいのかな…なんて ぼーっとしていると ドアが開いた 心臓が一気にバクバクと音を立て始めた 魔王が…くる! 遅くなった、と言いながら魔王が対面の席につく 魔王が席につくとご飯が運ばれてくる あ…おれあんまり学がないから食べ方の所作がわからない どうしよう 「好きに食べろ」 っ!アタフタしているおれをみかねて言ってくれたのだろうか 国王さまはそんなこと……まあ生贄にそんな事言わないか じゃあ魔王はなんで…? 「あり、ありがとうございます」 魔王もおれも黙々とご飯を食べる さっき魔王の前で泣いてしまったから余計気まずい おれ、これからどうしたらいいんだろう…。
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