1章・魔王と出会う

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お部屋に戻る最中ルーキアさんと雑談をしていた 「そういえば、貴方の名前はなんというのでしょうか?」 あ…ついに聞かれた どうしよう 「えっと…」 「ユ、ユウです!」 …嘘を、ついてしまった。 「ユウ様なのですね。良いお名前です」 さ、サマ 「様…なんてそんな!恐れ多いです!」 「魔王様の奥様になるお方なので…。」 わぁ…本当におれ、奥様になるのかな ないな。発言的にもうきっと戦争を仕掛けるのだろう そしておれは…… 「ユウ様、お部屋につきました。」 ルーキアさんがドアを開けてくれる 「ありがとうございます…」 「それではお休みなさいませ。 なにか御用がありましたらそちらに置いてあるベルを鳴らしください。」 「わかりました。お休みなさい…」 ドアが閉まる 1人になった途端ドッと疲れが押し寄せた おれ…生きてる 死ぬと思ってたのに生きてた 生きてさえいればお母さんとまた会えるから… 状況を整理しよう もう頭がこんがらがってどうしようもない 机に座り紙とペンを用意した まず… 国王様はおれを魔王の妻?として送り出した おれには勇者だと言いながら そして多分国王様は魔王と…戦争する気なのかもしれない いやでも魔族と戦って人間が勝てると国王様は本気で思っているのだろうか わからない 国王様の目的は何? フェルン、ルーキアさん いい人だったなぁ 魔族ってもしかして優しいのかな でも国王様はずっと 魔族が悪だと言っていた 魔族は人を襲い食い散らかすと でもそんな様子はなかった… しかも魔王城に魔族がおれが出会った ルーキア、フェルン以外いなかった もうなにもわからないよ…。 とりあえず今後することについて紙にまとめよう。 おれはとりあえず死なないように頑張るしかない どうすれば魔王はおれを殺さずにいてくれるだろうか …でも魔王に殺されなくても ここから人間の暮らす国に帰る手段がない 金がないし歩いて帰るとなればいつまでかかることやら あ!魔王城でお金を稼ぐのはどうだ? ルーキアさんとか優しかったし もしかしたら頼めば魔王城でできる仕事を紹介してくれるかも! おれ雑用とか良く宮殿でしてたし! 朝一番に起きて馬の世話とか 雑巾がけとかおれの仕事だったし お金は食べたり住んだりしているから当たり前の事とされて発生しなかったけど あ……そう考えたらここで仕事したって賃金なんて発生しないのか うーーーん…。 コンコン 「入るぞ。」 この声は…!
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