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プライド
パッと火花が散った。
尾ひれを残して去っていく。
その尾ひれが消える前に目がチカチカしたので反射的に目を瞑るとまだ奥で残像が残ってる。
そんな衝撃を何かで感じたいと夢見て今日も生きている。
あるのは二番煎じのよくある光景。目が肥えていくのは本当にいいことなのか教えて下さい。
好奇心を先生に生きている人へ、教えて下さい。
クールぶった天才さん、怒りん坊の天才さん、人見知りの天才さん。
ああ、やっぱダメ、好きになれそうにないわ。
もうあれだね、目の前の離乳食に蜂蜜ぶっかけられたみたいな感情になる。
泣きわめくね。
内心手足ばたつきもんよ。
普段愛想悪いくせに要領いい奴、普段やる気ないくせに要領いい奴、私のことバカにするくせに要領いい奴もそうだ。
一年のうち100回くらいタンスの角に小指ぶつけて泣いてりゃいいのに。
そんなことをふつふつと心中綴りながら、ため息吐いて作った鶏ガラスープの雑炊(青ネギ多め)をお玉ですくってお椀に注いだ。
デスクの横において、更新されたゲーム実況の再生ボタンを押してスプーンにすくった汁多めの雑炊をハフハフしながらすするのだ。
ああ、あったかい。
この優しさだけ自分のものだ。
ふはっと笑う。また食べる。雑炊に目がいって動画の見過ごした部分をまた巻き戻す。
またふはっと笑う。
どんな天才にも、要領いい奴にも、呆れるほど愛想笑いを返してやっても、
この優しさだけは私のものだ。
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