はじめに

4/6
前へ
/186ページ
次へ
そして長い長い時が経った。 私はAくんの近況も連絡先も何もかも分からないまま、大学を卒業して社会人になり、しばらくして結婚した。 何かのきっかけでAくんを思い出しても、ただ懐かしいと思うのみで、彼がいないのが当たり前の日々を過ごしていた。 そして訪れた、2020年のコロナ禍。 2~3か月間ほど強制的に在宅勤務となり、夫以外の友人知人とはリアルなコミュニケーションが取れなくなるという、前代未聞の毎日が訪れた。 そんな、閉鎖的で先の見えない日々の中、何かが始まっていった。 その青春のページが暴走し、夢と現実に翻弄され、今回の「マロニエのブルーとチェリーブロッサム」という物語が生まれた。
/186ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加