あとがき

1/1
237人が本棚に入れています
本棚に追加
/183ページ

あとがき

最後まで読んで頂き、誠にありがとうございます。 私がまだ学生だった頃、生まれながらの殺人鬼は居ないと言う言葉を耳にしたことがあります。幼少期にどう過ごし、どのような環境に身を置いていたのかで人は変わってしまう。 ただ、どれだけ劣悪な環境でも、心を腐らさずに真直ぐ育っていく人間ももちろん居ます。どちらかというと、そういった人間の方が多いでしょう。殺人鬼になってしまうのはほんの一握り。人を殺すシーンを想像することはあっても、実際に行動に移してしまう人は少ないのが現実です。 そう、ほんの一握り。 その一握りの殺人鬼が、自分の意思とは別の所で誕生してしまうとしたらをテーマに書き上げたのが「脳念」です。念という文字を百八文字書くことで、死んでも他人の脳で生き続ける事が出来る。想像以上に重たいテーマになってはしまいましたが、人間の本質に触れる作品が書きたかった。 恨みを遺して死を選ぶ人間が作り出された「脳念」が、普通に暮らす高校生の人生を狂わせていく。 殺意と理性の狭間で揺れる人間模様をこの「脳念」で描けていれば幸いです。 神谷信二
/183ページ

最初のコメントを投稿しよう!