季節外れの転校生

6/16
前へ
/97ページ
次へ
『あーもうとにかく、俺はお前と関わるつもりはねぇから』 転校生が何も言わなくなってしまった。 さすがに言い過ぎたか……??いや、でも俺は別に悪くねぇだろ…… 朝(へぇ、こういうタイプか、、、落としたくなっちゃったなぁ) この時の俺はこいつの気持ちになんか気付くはずも無く、気付いたらお昼なわけですよ。 さてさて、ここで画面の向こうの皆々様に質問です! お昼といえばズバリ!? 正解は、学食イベでした~!!! やかましわ。何がおもろいねん。 なんて茶番は置いといて、俺の中で転校生が好きか否かと転校生総受けが好きか否かは全くの別物である。 学食イベは何があっても逃しては行けない、絶対にだ。たとえこの身を危険に晒そうとも。 鐘が鳴り、俺は早速席を立って親友の席へ行く。 途中転校生に話しかけられたが、聞かなかったフリをしておこう。 『涼!!食堂に行かないか!!』 涼の机にバンと手を付いて身を乗り出して食堂に誘う。 涼「今日はいつもに増してテンション高ぇなあ、いいよ。行こっか」 『や、そりゃもう。涼チャンBIGLOVE』 涼「ヴッッッッ可愛い……」 『え?』 涼「いや、なんでも。」 普段は食堂なんて行かないのだが、今回ばかりは別だ。何としてもこの目に収めなくては。 食堂へ行く途中の廊下で、すれ違った生徒の制服のボタンにイヤホンのコードが引っかかり危うく耳から抜け落ちそうになる。 俺は常日頃からイヤホンを付けて生活しているのだが……そうだ、こんな話をしてみようか。
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!

909人が本棚に入れています
本棚に追加