王太子妃……恐ろしい響きだ

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 譲二さんは初めて会った時はフレンドリーな態度のお兄さんだったのに、護衛として二度目に会ったときは完璧に態度が違っていて驚いた。これが身分制度ってやつかな。いや、如月はいまだに態度が変わらないからな。譲二さんはルーシェンの部下だから、俺にもちゃんとした態度をとってくれるのかも。 『譲二さんは付いてきてくれるんですか?』 「もちろんお供いたします」 『そうですか。良かった』  俺の護衛って、あんまりいい仕事じゃないような気がするんだけど、付いてきてくれるのは嬉しい。  魔法エレベーターで16階に到着すると、屋根のない広い空間に大勢の兵士や魔法使いが集まっているのが見えた。あれがまさか、全員付いてくるのか?  会場には屋根は無いけど、隣の塔の連絡通路が上にあって、高速道路の高架下みたいな雰囲気だ。広場にはさらに浮島に続く橋が架けられていた。  広場の中央にルーシェンがいる。  遠くにいてもすぐに分かるから、オーラが見えるとこういう時便利だな。 『お待たせしました』  声をかけると、その場にいた飛行部隊や魔法使い達が一斉にこっちを見てビシッと整列する。  頭を下げて腕を胸の位置に……これは王宮立ち居振る舞い講座で習った事があるぞ。王宮内で王族に会ったときのポーズだ。多分だけど、俺に会ったからそうしてるんだよな。  試しに視線を感じた方に目をやると、視線の主はさっと視線を逸らした。そうそう、王族と目を合わせてはいけないんだよな。  ちょっとさみしいな。プライベートゾーンの侍女や護衛達はそんな事なかったのに。部下の地位によって違うのかな。 「シュウヘイ」 『遅くなりました』  ルーシェンがこっちに歩いてきた。  朝の服装と違って、いつもよりキラキラした服を着てる。色は青と白だけど、装飾多めだ。笑顔も合わせて眩しい。ルーシェンだけ目を合わせてくれる。  俺の側に来ると、肩を抱かれて頭を撫でられた。これ、大勢の前だと恥ずかしいな。新婚旅行ってもっと少人数で行くと思ってたんだけど、こんな感じで皆の前でイチャイチャして大丈夫かな。
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