繋げる

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 最終セットは一進一退の攻防が繰り広げられた。佳那が発破をかけたおかげか、チームメイトたちはどんな球でも追いかけて繋げた。  繋げて、繋げて、由菜に最高のAパスでボールを託す。 「由菜!」  リベロの祐希(ゆき)がキレイなレシーブをして、由菜に球を運ぶ。 「ライト!」  佳那は大きく手を挙げてから、助走を始める。 (相手ブロックは2枚!)  相手も疲れてきているのか、スピードのある攻防についてきていないのか、ブロックは2枚だけだった。  球はいつもより半個分だけ、イメージよりずれた。 (それが、なに!?)  佳那は体全体をしならせて、スパイク体勢に入る。  この球を失敗はしない。  その気持ちだけが、体を軽くしてくれる。インナーに撃ち抜き、誰もいないところへ球を叩きつけた。  あと5点。  相手との点差は2にした。  でも、まだ油断ならない。  チームメイトとハイタッチを交わしながら、佳那は仲間に気持ちを切らさないように発破をかける。  由菜はいつもと変わらず、ハイタッチをすると、相手コートを淡々と観察していた。 「由菜?」 「すごいね、佳那」  いつも試合中に誉めることはない。佳那は由菜の顔を見ると、いつもの、いつも以上の試合モードに没入したことを確信した。 「ごめん、遅れた。スロットルが入った」  凄まじい集中のなか、由菜はチームメイトにそう言った。  その言葉に、その雰囲気に、気持ちが高揚してきたのを、佳那ははっきりと感じた。 「最後まで畳み掛けるよ!」  佳那はもう一度チームメイトたちに発破をかける。誰もが声を出して、呼応する。 「
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