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憐:そうだな、この時間だレストランはどこも混んでいるだろう。地図を見て探してみよう。
憐がそう言うとエリカが地図を取り出して見せてきた。
エリカ:現在地はここです。近場であればこっちの方向ですね。
憐:それだったら、こっちに歩いていけば良さそうだな。
憐は軽食の屋台があるであろう方向へといそいそと歩いていく・・・
歩いて行くこと数分。
エリカ:明らかに地図で見た方向とは別じゃないですか?
憐:え? そんなことないと思うけど、もう一度地図見せて。
ふむ、本当はこっちじゃないか。次はあってるだろう。
エリカ:大丈夫ですか。
憐:大丈夫だって、絶対こっちであってるから!
憐はエリカと手をつないで目的の屋台へと向かう。
数分後。
憐:ごめん、迷った。
エリカ:・・・やっぱり。張り切るのは良いですけど、方向音痴なの忘れてません?
憐:え、俺って方向音痴だったっけ?
エリカ:自覚なしですか。
憐:うん。
エリカ:はぁ~もう。
エリカはそう言うと地図を取り出してキョロキョロと周囲を見回す。
エリカ:うん、分かった。こっちね。
憐:それで分かるのか。凄くね?
エリカ:どやぁ
憐:くっ、なんか悔しい。
その後二人は無事に軽食を摂ることに成功。時刻は14時を過ぎていた。
エリカ:ふぅ~、さすがに食事のあとに絶叫系は乗りたくないので、観覧車乗りません?
憐:それは賛成。さすがに隣で戻されたら困る。
エリカ:私が問題ですか。自分もその可能性あるのに。
憐:俺は大丈夫。たぶん。
二人は観覧車へと向かい、待つことなく乗ることができた。
1週約20分かかる大きな観覧車。頂上からは山の様子、遠くには東京のビル群が聳え立つのが見える。
エリカ:この観覧車この地域で一番大きな観覧車なんだって!
憐:へぇ、すごいな。観覧車なんて乗るの何年ぶりだろう。
エリカ:そもそも遊園地行かないからね。
憐:まぁ、俺の家の事情が複雑だし、タレント活動していると遊びに行く暇もなくなっちゃうからな。
エリカ:あ、ごめん。
憐:いや、気にしなくていいよ。今日はこうしてエリカと出かけることできたし良い気分転換にもなったよ。ありがとう。
エリカ:こちらこそ、忙しいのにありがとうございます。あっ、そろそろ頂上だって!
憐がふと山の方に視線をやると山間に小屋のようなものが見えた。
憐:エリカ、こんな山の中に小屋があるぞ。
エリカ:え、どこに?
憐:ほら、小屋的なものがあそこに。
エリカ:どこだろう。
憐:あそこに、小屋的な。
エリカ:小屋的な?
憐:小屋的なぁ~
エリカ:小屋的なぁ~
憐:なにゆえぇ?
エリカ:それうざいやつ! 店主きれちゃうから!
二人で某TRPGのキャラクタの真似をして笑いあっているとあっという間に観覧車は地上へと降り立った。
憐:え、早いな。あ~楽しかった。
エリカ:もう20分経ったんですね。あっという間でした。もうそろそろ夕方ですね。
憐:早いな、今夜の食事も考えないとな。
エリカ:ふふふっ、憐くん、実は今夜は花火がよく見えるレストランを予約したんです!
憐:おぉ、前から行きたいって言ってたやつ! 良く取れたな!
エリカ:もっと褒めてください。
憐:そのうちな。
エリカ:ちぇっ。こほん、夕食の時間を考えるとアトラクションはあと1つですかね。帰るときお土産買いたいので。
憐:そうしたら、メリーゴーランドなんてどうだ。『白馬』に乗った王子様的な感じで写真撮ってよ。
エリカ:『白馬の王子』サマですか。
憐:なんだよその言い方。
エリカ:なんでもないです~私的には黒馬に乗ってるイメージでしたけど。
係員:次のお客様、どうぞお入りください。
憐:ほら、愛馬を選ぶぞ。俺はこの漆黒の黒馬だ!
エリカ:さっき白馬の王子って言ってたのは誰ですか?
憐:いいんだよ、今は黒馬に乗りたい気分なんだから!
エリカ:へぇ~
憐:しっかり動画撮っておけよ。今から映画のようにかっこよく乗馬するからな。
エリカ:もう動画撮ってますよ。
憐:早いな。よし、行くぞ!
憐は勢いよく地面を蹴り上げ、馬に乗ろうとするが、振り上げた右足が馬のしっぽに引っ掛かり思いっきり左肩から転落した。
憐:ぐふぁっ! ちくしょう、いてて、思ったよりこいつのしっぽが高かった。
エリカ:プッククククククッ!
憐:おい、動画撮りながら笑うな! 止めろ!
エリカ:ちょっと動画撮ってるときに笑わさないでくださいよ!
憐:今の削除!削除しろよ!
エリカ:嫌ですよ、これは永久に保存してきます。憐くんの雄姿が写っているので。
憐:あれのどこが雄姿なんだよ!
エリカ:とってもかっこいい踏切と落ち方でした。
憐:おいっ!!
二人はメリーゴーランドを満喫した。
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