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当馬の研究所は山間にある。山道を車で進めるところまでタクシーで進んで、あとは徒歩での移動した。
入口にはパスコード入力式の鍵が掛かっているようだ。
憐:ここか。
エリカ:うん。
憐:よし、扉を蹴破って―
エリカ:カードキー持ってるよ。
エリカはそう言って憐の横を通り過ぎてカードリーダーにセキュリティキーを差し込んだ。
憐:なるほど、そういうことか。
中に入ると当馬がいた。こちらを驚いた表情で見る。憐と当馬の視線が交錯する。
先に口を開いたのは当馬の方だった。
当馬:なぜ…お前なぜそいつを連れてここに戻ってきた!…そいつがどうなってもいいのか!?
憐:エリカから話は聞いた。本物のエリカを返してもらうぞ!
当馬:ちっ、ならば死ねっ!
と言いながら襲いかかってくる。
憐:望むところだぁっ!!
当馬:うっ!
エリカは憐の横から瞬時に当馬の懐へと潜り込むと護衛用にスタンガンを当馬に突き立てた。
当馬の拳は憐へと届かず、当馬はスタンし地面に伏せた。
エリカ:憐くんには触れさせない。
憐:エリカ……。ありがとう。
エリカ:巻き込んじゃってごめんね。こいつ、変な呪文使えるみたいだから…縄とガムテープないかな。
憐:いいや、エリカを助けるためだ。謝る必要はないよ。
縄とガムテープはすぐに見つかった。当馬を縄で縛り、縛り口にガムテープを貼った。
エリカ:この奥に本物のエリカがいるよ。
エリカが奥の方を指さした。奥の方へと進んでいくと、三つの扉があった。
扉にはそれぞれ「1」「2」「3」と書かれている。
憐:なんだここは。山の中にこんな施設があるなんて。
エリカ:この扉のどれかに本物のエリカがいるはず。
憐:どれなのか分からないのか?
エリカ:ごめんなさい、そこまでは分からないの。
憐:なら片っ端から見ていくぞ。まずは「1番」からだ。
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