0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
証明 第1問目 天才の定義
『人間』には無限の可能性が広がっている。
この地球が誕生し、生命が生まれ、しばらくして人類が現れる。
何万、何千という時の中で数多くの偉人たちが現代に至る礎を築いたおかげで
今の私たちが存在する。
さて、ここで『偉人』とはどういった人物を指すのか。
ほかの人と違い、何か特別なことを成し遂げたから偉人と呼ばれる。
多くの人はこのような人を『天才』と呼ぶ。
では、天才は生まれてすぐに天才というものなのだろうか。
俺は違うと思う。
俺はこの世に存在する全ての人々は天才、または天才だったと思っている。
天才レースは生まれる前から始まっている。
まず、そこで、環境、両親、金銭などの初期手札が決まる。
さらに、今度はその手札を見て自分に合った最善手を選ばなくてはならない。
ここまで来てやっと努力という過程に入る。
世の中には努力しなくても優れている人は一定数いることは居る。ただ、結局は凡人の中で優れているだけであって凡人の域を出ない。
この努力の峠を渡り切ったものこそがようやく『天才』への切符を手に入れる。
つまり、生まれてすぐは全ての人が天才なのだが、初期手札で絶望し、成長する過程で自分の実力を見限り、他人からの目を気にし、やってもみないで諦めることで、自ら凡人であることを受け入れる。
諦めの悪い俺にとってはそれが出来なかった。
というか諦めるというおそらく一番効率のいい方法が取れないだけの不器用な奴なのかもしれない。
そんな自嘲に背中を押されながら、今日も他の天才たちに食らいつく。
最初のコメントを投稿しよう!