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式は粛々と神前で行われた。
神前式お馴染みの、三々九度の盃(さんさんくどのはい)で智さんと盃を交わしたわ。
規模も大きく、本物の演奏者を呼んで、雅楽を伴った花嫁行列から行ったの。
「桂木希美花様、こちらへどうぞ。色打掛にお着替えください。」
「希美花、じゃあ、また後でね。」
「はい、智さん。」
智さんの眼鏡の奥で笑いかけてくるその瞳が、私のことを愛しくて仕方ない、と主張している。
でも私は、どうかしら、ね。
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