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「薔薇の花言葉をご存知ですか?」
「いえ。」
「赤い薔薇の花言葉は、”あなたを愛しています”です。本数によっても意味が変わります。本当は108本で“結婚してください”という意味になるのですが、すみません、今108本もなくて。11本にしました。11本の意味は“最愛”です。そしてカスミソウ、こちらは“永遠の愛”という花言葉です。いかがでしょう?」
説明と共に見せられた花束は抱えるほど大きく作られ、まさにプロポーズにぴったりという様な素敵な仕上がりになっている。
閉店しようとしていたところに飛び込んできた俺に、そこまで考えて花束を作ってくれるとは思いもよらなかった。
「ありがとうございます。」
丁寧にお礼を言うと、店員はにっこりと微笑んで言った。
「応援していますね。お幸せに。」
店員から受け取った花束は、ずっしりと重かった。
俺は愛情と責任を改めて痛感しながら、最愛の彼女と娘が待つ家路を急いだのだった。
【END】
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