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2話 街の散策
その後も馬車に乗せてもらい、街へ向かう。
男と商人が何やら相談している。
聞き耳をたてる。
「やはり護衛が1人だけではさすがに危険ですぜ。弱めの魔物しかいないとはいっても、今回のように2匹以上に襲われたら対処できません」
「ううむ、出来るだけ護衛料を抑えたいんだが……。安全には代えられんか」
「せめて2人は必要ですぜ」
ふーむ。
あの犬は弱めの魔物なのか。
俺にとっては結構な脅威だったのだが。
しばらくして、街に到着した。
しっかりした大きい街だ。
外壁がある。
門のところに槍を持つ門番がいる。
俺って街に入れるのかな?
身分証とか持ってないぞ?
門を通る。
じろじろ見られている。
怖い。
だが、特に何か言われることなく通ることができた。
いいのか?
こんなどこの馬の骨とも分からない奴を町に入れて。
門を通ったところで、荷台から降りる。
彼らに礼を言い、別れる。
大通りを歩く。
大きな街だけあって、大通りも賑やかだ。
周囲の人の話していることを盗み聞きする。
ここは「ラーグ」という街らしい。
適当に散策していると、屋台がたくさんあった。
「おう兄ちゃん、焼き鳥どうだい? 1本銅貨1枚だ!」
気の良さそうなおっさんが話しかけてくる。
「ああ、1本頼む」
まあ小腹も空いたし買っておこう。
銅貨1枚あたり100円ってところか。
異世界で初の買物と食事だ。
「おお、旨いなこれ。もう2本頼む」
異世界だと塩とか胡椒が貴重品で味が薄かったりするのかと思ったが、普通においしかった。
他の店で飲み物も購入し、追加の焼き鳥2本を食べた。
このおっさん相手に加護付与スキルを発動させようとしたら、「忠義度が38ポイント足りません。現在の忠義度:12ポイント」と表示された。
忠義度ってなんだ?
さらに散策していると、気になる建物がいくつかあった。
冒険者ギルドと奴隷商館だ。
だが今は宿を優先する。
散策している時にいくつか宿の候補を見つけておいた。
その中でも中ぐらいのところにしようと思う。
宿に入る。
店員のおばちゃんがいたので話しかける。
「やあこんにちは。一泊いくらですか?」
「泊まりだけなら銀貨2枚、朝夕の食事付で3枚だよ。泊まってくかい?」
「3泊、食事付でお願いします」
そういって金貨1枚を渡す。
おつりとして銀貨1枚を渡された。
「おーい! お客さんを部屋まで案内しておくれ!」
「はーい!」
奥から若い女性店員が出てきた。
たぶんおばちゃんの娘だろう。
2階の部屋まで案内される。
「じゃあゆっくりしていってね。明日の朝食には遅れないように」
そう言って彼女は階段を下りて行った。
俺は案内された部屋へ入り、一息つく。
今、ミッション報酬で得た金貨9枚と銀貨11枚と銅貨27枚を持っている。
焼き鳥と宿の値段から判断すると、金貨は1万円、銀貨は1000円、銅貨は100円ってところか。
つまり、現金だけでも10万3700円持っていることになる。
何もしなくても一か月程は生きていけそうだ。
ただし、その一か月の内に、生きていく術を確立しないといけない。
あまりうかうかはしていられない。
そういえば、街へ行くミッションの報酬があったな。
ミッション
街へ行こう。
報酬:スキルポイント10
無事「達成済」となっていたので、報酬を受け取る。
これで10ポイント。
剣術レベルを2に上げるのも良いが、5ポイント余るから中途半端だな。
腕力強化を取るか?
いや、攻撃系スキルには剣術がある。
魔法を取るか?
いや、当面はソロでやることになるだろうから、魔法はまだいい。
できれば詠唱時間短縮とセットで取りたい。
隙が大きそうだからな。
色々と悩んだが、肉体強化を取ることにした。
まだまだ何が起こるかわからない。
広く浅く効果がありそうなこのスキルは役立つかもしれない。
肉体強化の項目を選択し実行する。
視界が一瞬点滅する。
なんとなく体の調子がよくなった気がする。
ステータスを確認すると、ステータス全体に少しの補正がかかっていた。
おそらく強化率は10%だろう。
端数が四捨五入なのは地味ながらありがたい。
肉体強化レベル2にすれば20%になるのだろうか。
さて、明日にでも冒険者ギルドへ行ってみよう。
今日散策した限りでは、町の治安は良い。
冒険者ギルドでチンピラに絡まれるなんてイベントは発生しないだろう。
…………たぶん。
レベル1、たかし
種族:ヒューマン
HP:23(21+2)
MP:13
腕力:7(6+1)
脚力:9(8+1)
体力:13(12+1)
器用:11(10+1)
魔力:14
武器:ショートソード
防具:レザーアーマー
残りスキルポイント0
スキル:
ステータス操作
スキルリセット
加護付与
異世界言語
剣術レベル1
肉体強化レベル1
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