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僕は比較的に身体のダメージは少なかったが、フェルとカエデは骨折していたり内臓にも影響があったようだった。
僕達は別々の部屋で常に2人の女性が付いて看病してくれた。
右目の上を怪我して身体の所々を打撲していたが僕は普通の生活を取り戻す事が出来た。
アザメルは予想以上に美しかった。
第1墳墓は木々に覆われた大きな森のように見えてその周辺には小規模の墳墓と思われる大小の丘が連なっている。
干拓前の遠浅の海は近かく、浜辺には船小屋が綺麗に並んで立っている。
それほど広くはないが平野では穀物を作り農家が点在していた。
沖には帆を張った巨大な木造船が数隻見えた。
今で言う漁業、農業、林業と完全な分業化が進んでいて主に物々交換で成り立っていた。
ここは王都だと聞いていたが地方の都市も多くの王民が住んでいるらしく100万民と言っていた。どこまでの地を治めているのかは分からないが、かなり広い地域に及ぶだろうと思った。
僕達が住んでいるのは第2墳墓下の平地に造られた街の一角にあり、フェル達王族の住まいは第1墳墓近くの小高い丘に決して豪華とは言えない宮殿に住んでいた。
僕はずっと痛みを感じる夢を見ているのだと思っていたが、どうやら石段から墳墓へ落ちた時 何かしらの力でこの時代へ来てしまったと思う事にした。
それに子供の頃からの憧れの地をこうして眺め触れる事が出来るのだからどう言った理由であれ、恐怖や不安はあるものの目の前にあるリアルなアザメルを満喫する事にした。
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