プロローグ

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プロローグ

「くっ…なかなかキツいわね」妙な服装をした女性はそう呟くが、この状況はかなり異様であった。 高さ10メートル程の石で出来てる人型のゴーレムの拳を女性の細腕で堪えているからである。 そもそも彼女の服装はピンク、スカートもピンク、インナーは黒、髪もピンク、イヤリングは水晶で出来てるのか透明できらびやかで可愛らしい装飾品たちだ。 どう見ても重量比的に派手な衣装の女性は吹き飛ばされそうなのだけど、何らかの力が働いているのか何とか堪える事が出来ている。 しかし…押されている。このままでは…。 と彼女は足を踏み変えて体勢を立て直す。足がアスファルトの地面にめり込んでしまうが、逆に摩擦抵抗は格段に上がる。 「でも…負ける訳にはいかないのっ!」 女性はそう言うとゴーレムの拳を掴み持ち上げた。まるでアリが自分の体重の何十倍の重さの物を持ち上げるのと同じような感じだけど、人間サイズだと異様だ。 「はぁぁぁぁーーーっ!!」ドゴォォォォ そしてゴーレムを横に倒す。倒れたゴーレムはまた起き上がろうとするが、もう遅い 「ファイナルっエクスプリエーションっ!!」女性が叫ぶと同時に左腕をゴーレムの方に突出す。 次の瞬間、手首にあるブレスレットから物凄い量の光の粒子が放たれる! 「いっけぇぇぇぇぇーーー!!」 粒子がゴーレムを包み込み光の塊となり… しばらくして光が収まるとゴーレムのいた所には何も残されていなかった。彼女の勝ちのようだ。 「はぁ…はぁ…」肩で息をしながら女性は空を睨む。 「やはり…どうにかしないと」そう呟くと彼女は跳躍した。瞬時に数十メートルの高さまで上がり、そのまま自然落下で町外れの一角に消えていった。この彼女に追いつける加速度を持つ乗り物はこの現代には まだ無い。
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