闇の中の遊戯

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 スマートフォン、タブレット、パソコン……それらでゲームをしている時、広告画面に切り替わることがあると思う。  アルカヌムはその広告でしか知ることのできないものらしい。  都市伝説級のレアなやつ。  気づいた人はラッキーみたいな? 『アルカヌムへの招待状』   と書かれた白文字が黒一色の画面に浮かびあがり、それをタップ、もしくはクリックするとアルカヌムというゲームの参加申し込み画面に切り替わるそうだ。  わたしが出会った、性別も、年齢も、種類も系統も違う凸凹集団は、そのゲームの参加者だという。  色々と詳しく説明してくれたのが、初老の紳士、田辺章一さん。  その背中に隠れているのが小学二年生の少年、山崎蓮君。  周囲を気遣う目で見守っているのが巨乳OL、田尾(たお)美知佳(みちか)さん。  底抜けに明るい自称美容師ギャルは、森尾レミ、通称レミたん。  チャラい金髪大学生は、牧田(まきた)隼人(はやと)。  その友人、高木(たかぎ)悠仁(ゆうじん)。  イライラしている中年親父が、三輪(みわ)勇作(ゆうさく)さん。  そして、最高に不機嫌要素満載の女が、中井(なかい)智美(ともみ)。  正直、全員の名前を覚えられる自信はないんだけど、どうしよう。 「本当に知らなかったの? アルカヌムのこと。、女子高生は流行りもの大好きでしょ?」  智美は何本目かわからない煙草を吸いながら、わたしを小馬鹿にした目で見る。
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