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イライラとした様子で会話に加わろうとしない中年男性の三輪さんはある大手企業の役員で、会議中に意識消失。
上から目線の中井智美、実はテレビ局のディレクターと判明。
仕事の打ち合わせに行く途中に意識消失。
レミたんは美容師で仕事帰りに意識を失い、最年少の蓮君は小学校に登校した途中から記憶がないらしい。
意識がないうちにこんなところに連れてこられたのは、わたしも同じ。
でも、アルカヌムの参加者だという彼らとわたしの間には、極端な温度差があるように感じた。
「話はなんとなくだけどわかった。でも、わたしはゲームの参加者じゃないのよ」
「じゃあなんでこんなところに?」
美知佳さんが首を傾げる。
それ、わたしが一番聞きたいんだけど。
「わからない。もしかしたら人間違いなのかも。アルカヌムってゲーム知らないし、参加希望なんて出してないから。運営の人に確認したいんだけどどうしたらいい?」
美知佳さんが首を傾げた。
美知佳さんは田辺さんの方を見、田辺さんも困ったように首を横に振る。
どうしたのかと思っていると、
「冴女っち! それ無理!」
と、レミたんがあっけらかんと言い放った。
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