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「ここ、待機場所だったんだ」
わたしがぽつりと呟くように言った言葉に、美知佳さんが頷く。
「私はこのマットレスの上で寝かされていたの」
「冴女っち~~ レミはその辺に転がされてたんだよ!? ひどくない?」
「それを言うなら俺と悠仁もなぁ?」
美知佳さんは困った顔で、苦笑いした。
「暗くて見えないけど、少し歩いたところにソファーがあって、そこに智美さんが。その近くに田辺さんと三輪さんがいたの」
「蓮君はどこに?」
わたしが名前を出すと、蓮君はびっくりした顔で自分の顔を指で差す。
そんな蓮君の頭を、田辺さんはそっと撫でた。
「蓮君は私がいたところの少し先にいたんだよね」
蓮君はこくん、と頷く。
「ここにいるのが八人? じゃあ三人足りないの?」
人数を数えていると、悠仁さんが首を横に振った。
「もう一人別の場所にいるんだ」
「別の場所? それって……」
更に質問しようとした時だった。
わたしの目の前すれすれを何かがかすめる。
驚いて後ろに飛びのくと、田吾作さんに当たった。
「あ、ごめん」
「大丈夫よ」
ちょいって首を傾げる田吾作さんの動作がかわいい。
って、それどころじゃなくて。
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