闇の中の遊戯

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 妙なゲームに関わりたくないって気持ちもあるけど、ここから移動して、あの気持ち悪いマネキンに遭遇するのもすっごく嫌。  多分あれもゲームの演出だったんだろうけど。  驚かす相手を間違えないでほしい。  しかし不意に伸びてきた腕が、田吾作さんの右手を掴み止める。  田吾作さんはきょとんとした顔で、その手の主の方を見た。 「ちょい待った!」   田吾作さんの手を掴んだのは、それまで遠巻きにしていた金髪男。  金髪男は、へらへらとした顔で、わたしと田吾作さんを交互に見る。 「ずっと聞いてたけどさ、あんたら、間違いなくゲームの参加者だぜ?」   「は? なんでそういいきれるのよ?」  金髪男はにっと口を横に歪めた後、自分の履いているジーンズから端末を取り出した。 「これ、さっきいじくってたらさ、参加者のリストみたいなんが出たんだわ。見てみ?」    そういってわたしに手渡す。 「リスト?」  そういいながら液晶に触れようとしたわたしに、 「あ! 待って!」 と、美知佳さんが制止する声をあげたけれど、時遅し。  液晶に触れた瞬間、画面が真っ白に発光した。 「な、なに? これ」  光ったのは一瞬。
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