9人が本棚に入れています
本棚に追加
「んで? これからどうしたらいいんだ?」
床に現れたコースの前に集まった皆の顔を見回しながら、金髪男が首を傾げた。
スタートの位置に来たけど、端末画面に変化はない。
コースのマスはひとつひとつはそう大きくはなかった。
三畳あるかないかって感じ。
「私達自身がダイスゲームのコマにならなければいけないと思うので、最初のマスに立ってみましょう」
志摩さんがそういうと、金髪男が「ほいっ」と言って最初の一マスに入った。
すると、シャララーンという音が、金髪男の端末から流れる。
「おっ! ナンバー1って出たぞ! 俺優勝!?」
「なっ! そんな馬鹿なっ」
三輪さんが近くにいた悠仁さんを押しのけ、金髪男の後に続いた。
またもシャララーンという音が聞こえる。
「ナンバー2……」
今までの虚勢が嘘みたいに落ち込んだ顔をした三輪さんの隣に、マスの中に入った智美が並ぶ。
「これは順番ね」
そう言って智美は志摩さんに、端末の画面を見せる。
そこには赤文字でナンバー3と書かれていた。
「ええっ!?」
慌ててレミたんがマスの中に入る。
志摩さんの手を引いて。
耳になじんできた軽快な音が二度続き、二人が揃ってこちらに向けた端末画面には、レミたんがナンバー4、志摩さんがナンバー5と書いてあった。
最初のコメントを投稿しよう!