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「貴女のことは、何てお呼びすればいいのですか?」
理紗さんの質問に私は、
「私には名前がありません。
『案内人』とお呼びください。」
と答えた。
「理紗さんは、この世での最後の7日間、どなたと最後の時間を過ごしたいですか?」
私が質問すると理紗さんは、
「家族と一緒に過ごしたいです。
特に姉の近くにいたいです。」
と正直に答えてくれた。
「それでは、ご案内いたします。」
私はまずは理紗さんが息を引き取った市立病院の病室に案内した。
そこにはベットの上に息を引き取った理紗さんがいて、ベットの周りにお父様、お母様、お姉様がいて、3人は涙を流して悲しんでいた。
「お姉ちゃん!」
理紗さんがお姉様に声をかけたとき私は、
「残念ながら生きている人には、理紗さんの姿は見えませんし声も聞こえません。」
と説明した。
理紗さんは、お姉様のことを心配しているようだった。
その後理紗さんの遺体は、葬儀屋さんの車で自宅に運ばれた。
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