死者の案内人

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私は女神になりきれない死者の案内人で生きている人間には私の姿は見えないけれど、人間は死ぬと女性の姿で存在する私を認識することができるようになる。 私は死者の魂を7日間この世(現世)の案内をしてから、7日目にこの世とあの世を隔てる境界を流れる『三途の川』を船で渡ってこの世からあの世に死者を送り届けている。 あの世の入り口には、『閻魔大王(えんまだいおう)』がいて、死者の生前の行いを裁き天国に導くのか地獄に導くのか決めている。 人間が死んでからの7日間、人間の魂はこの世の大切な人との最後の時間を一緒に過ごすことになり、多くの死者は愛する家族の近くに滞在することを望む。 私は死者の気持ちを聞いて、できるだけ死者の最後の思いに沿えるように案内することを心掛けている。 こんな私に、ある日若い女性の魂が私の目の前に姿を現した。 「貴女は誰?」 不思議そうな顔で私に声をかけてきたその女性は、黒のボブの髪形で少し背が高くスレンダーでスタイルが良いとても美しい顔立ちの女性だった。 「私は死者の案内人です。  7日間、貴女にこの世を案内します。」 私が答えるとその女性は、 「私、死んだの…」 と悲しそうな表情になって顔をうなだれた。 「貴女の名前は『理紗(りさ)』さん、年齢は18歳ですね!」 私が言葉をかけると、 「なぜ私の名前を知っているの?」 と理紗さんが質問してきたので私は、 「生きている人には私の姿は見えませんが、生前から理紗さんのことは知っています。」 と真実を答えた。
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