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第44話「69」
ベッドに座った藤崎のスウェットをズラし、ぶるんっ、と目の前に立ち上がった雄々しい性器を見て、義人はゴクン、と喉を鳴らした。
「無理しなくていいよ?」
藤崎は心配そうに義人を見下ろし、自分の性器を見つめたまま固まる彼に声を掛けた。
「無理してない」
ベッドに腰掛けている藤崎の開いた脚の間に顔を寄せる。義人は寝室の床に座って、ベロ、と舌を出した。
「っ、ん」
藤崎は生暖かい感触に腰を浮かせて、彼を見上げる義人はそそり立つそれに自分の舌を押し付けた。
そのまま、じゅぷぷ、と唾液を絡ませながら藤崎の肉棒を根本付近まで口に入れていく。
義人は口が小さくて藤崎のそれを全部口内に収める事はできない。
「はあ、、義人、大丈夫?」
「っん、んっ、、んっ」
ゆっくりとしたストロークで上から下まで丁寧に口に入れたり出したりを繰り返す。
藤崎は時折り苦しげな吐息をついて夢中で自分の性器を口で扱く義人を愛しげに見つめて頭を撫でた。
「っん、、久遠の、舐めたかった」
「何でそう言うこと言うかなあ」
「ん?、、ん、んん、」
これで口の中の上書きも完璧だ。
菅原のものの感触も思い出せない程、藤崎のそれはいつも通りの温度で硬くて太い。
壊れやすいものに触るように義人はその根本に左手で支えるように手を添えて亀頭を舐め回し、浅く咥えて吸い上げる。
「義人」
「んー、、」
まだ舐める、と顎に触れて顔を上げさせようとした藤崎に抵抗し、じゅうっとキツく尿道の入り口を吸った。
「ッ、こら」
「やら、、ん、もうちょっと」
「ダメだよ」
性器から口を離さない義人の頭を撫でて言う。
義人はどうして?と言いたげに切なそうな顔をして藤崎を見上げた。
「自分で後ろ触らないでっていつも言ってるじゃん」
「あ、」
義人の右手は無意識にパンツの中に入れられていて、自分の閉じた後ろの穴のシワをくるくると触っている。
「入れてない、から」
「でも触ってる」
「触ってない」
嘘をついて藤崎のそれをまた口に含む。
下着の中でうごめく手は明らかに穴に触れて指を自分のそこに押し入れようとしている。
「ん、んふっ、、んブッ、、ん、」
「義人、ダメだよ」
大きく呼吸をして藤崎は彼を見下ろし、自分のそれを激しく口で扱き始めた頭を止めようと深い茶色の髪の襟足を軽く掴む。
「はあ、、義人、こっちおいで」
「っん、あ、やめろ、舐めるっ」
「だーめ。後ろ触るなら俺がする」
身体を倒して無理矢理義人の脇の下に腕を差し込み、ぐん、と身体を持ち上げベッドの上に乗せると、義人は不服そうにジッと藤崎の下半身を見つめた。
藤崎はごろんと仰向けにベッドに横になり、またフェラをしようと四つん這いで自分の足元に行こうとした義人の動きを止め、彼の尻を掴んだ。
「これこっち」
「いやだ、それはしない」
「何で。後ろ舐めるからお尻こっち向けてよ」
「し、しなくていいッ!あれいやだ、!」
69をしようとする藤崎の手を払って言い返すと、彼は少しムッとし、容赦なく義人のスウェットのズボンと下着を掴み、一気に下にずり下ろした。
「うわッ!?」
急に下半身に着ていたものを半端なところまでまた脱がされ、義人は変な声を上げて藤崎を振り返り、急いで元に戻そうと自分の服を掴む。
「っあ、や、やだってば!」
四つん這いになっていた義人の背後をとっていた藤崎は、下着を下ろした事で自分に向かって露わになった突き出された尻の穴にさっさと舌を付けてそこを舐め上げた。
突然の刺激に下に敷かれている毛布を掴んで皺を作り、持ち上げようとした下着やズボンやらを後ろで押さえ込まれて、義人は無防備に突き出していた穴を舐められながら喘ぐ事しかできなくなっている。
「あ、あぅっ、やだ、やだやだ、やめろ、それ、んんあっ」
義人は穴を舐められるのが好きなのだが、どうしても慣れなくて、気持ち良過ぎていつもその舌の感触から逃げてしまう。
そうでもしないとずっと舐められていたいくらいに自分がいやらしくなっていると、彼は自分の変化に気が付いていた。
「ダメ、久遠、ぁあんっ久遠ッ」
切なく甘い声が寝室に響いた。
力が抜けて腕をガクンと折って身体をベッドに落とし、尻だけ突き上げている体勢の義人の後ろの穴に、上半身を起こしてしゃぶりついている藤崎。
部屋の天井から下がっている照明には電気がついておらず、棚の上に新しく買って置いた間接照明のライトがぼんやりと2人を照らしている。
「あー、、あーっ」
ぐだぐだに後ろの穴で感じて、塞がらない口からは延々と嬌声が漏れていた。
ぅんっ、とたまに溢れそうになる唾液を喉の奥に押し込み、義人は舐められているそこの快感に集中してしまって身動きが取れない。
「はあ、んっ、やだ、やめ、て、、穴、ほじ、ん、ないでっ」
硬くした舌先でグリグリと穴のシワを潰される。
舌を中に入れようとしてくる藤崎からの刺激が堪らず義人は腰を逃がそうとするのだが、後ろから左の太ももを抱き抱えられていて離れられない。
「ちゃんと上乗ってくれたらやめるよ」
そんな事しても絶対にやめないくせに、藤崎は義人を煽るように呟いてわざと音をたてて穴を吸った。
ちゅぱっ
「あぅんっ、んっ」
(ダメだ、もっと、、もっと気持ちいいのが欲しい)
ちゅぷっ ちゅぷっ
「あっ、あぁー、、あー、、」
一層大きく息を吸って、吐いて、甘く怠くなった身体に鞭を打って、義人はおずおずと横に移動し、自分で膝に引っ掛かっているズボンとパンツを脱ぎ捨てて藤崎の顔の上に跨った。
目の前には血管の浮き出たそれがそそり立っている。
「義人、もう少し後ろ」
「あっうっ、」
やっと義人がその気になったのを見計らって、藤崎はごろんと再びベッドに横になった。
枕の上に頭を乗せ、顔より少し下にある義人の尻を両手で掴み左右に引っ張りながら、穴の横に親指を食い込ませる。
くぱっくぱっと開かれそうになる穴に義人はビクビクしながらも力を入れて閉じようとし、藤崎の言う通りに四つん這いの身体を少し後ろにずらした。
「お尻下げて」
「ん、、ん?」
勃起した性器に口をつけ、どのくらいだろうと思いながらゆっくりと腰を落としていく。
「ぁ、んんぅっ!」
べと、と濡れた舌がまたそこにたどり着き、シワを広げるように舐め回される。
むず痒くて恥ずかしい感覚がどんどん頭に流れ込み、義人の理性をぐずぐずに崩してきていた。
「んっんぶ、んっ、、ンッ!!んっ」
(やっぱ、嘘つかれた)
また穴を舌先でほじられ始め、義人は瞬時に藤崎の顔から腰を上げようとする。
しかし藤崎ががっちりと尻を掴んでいる為にびくともせず、結局彼の性器を激しく口で扱くしか仕返しの方法がなかった。
「んー、、はあ、気持ちいい」
「んっ、、んは、ぁ、久遠、ベロ、入れようとすんな」
「えー?ヤダ」
「ぁあっぅ、それやめろ!」
先程からずっと親指で後ろの穴を左右に広げて遊んでいる藤崎に、義人は振り向いてギャン!と怒った。
「義人、穴舐められるの好きだよね」
「ンッ!好きじゃない!」
「じゃあやめる?」
「あっ、え、、?」
穴を広げるのをやめ、藤崎は左手の中指を一瞬咥えて唾液を絡ませ、今度は穴の入り口をつついたりグニグニと押して遊び出す。
「指入れるのは?」
「あ、あそ、ぶな、よッ、ぁあ、あ、入っちゃう、入っちゃう!」
ぐぐぐ、と力を込めて中指が義人の後ろの穴の肉を押し広げ始めている。
「これもやめるの?」
「あっあっ、違う、!」
何が?と言いながら、ツプン、と藤崎の指が少しだけ、細く白い身体の中に入ってしまった。
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